椅子から立ち上がる動作を、運動として考える

日常生活を支える運動の科学

椅子から立ち上がる動作を、運動として考える

椅子から立ち上がる。

毎日の生活で何気なく行っている動作ですが、身体の中では、複数の関節や筋肉が働いています。

今回は、椅子から立ち上がる動作を、筋肉と関節の働きから考えてみましょう。

立ち上がるとき、身体はどう動くのか

椅子から立ち上がるときには、上半身を前に傾けながら重心を移動させ、その後、身体を持ち上げて立位になります。

この動作には、股関節や膝関節、足関節などの動きが関係しています。

上半身を前に傾ける動作と、身体を上に持ち上げる動作は、連続して行われます。立ち上がるためには、身体を移動させながら、姿勢を調節する必要があります。

どのような筋肉が働くのか

立ち上がる動作では、複数の筋肉が協調して働きます。主な筋を書いていきます。

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)

太ももの前面にある筋肉群です。主に膝関節を伸ばす働きがあります。

立ち上がる際には、膝関節を伸ばす動作に関わり、身体を持ち上げる働きを支えます。

大殿筋(だいでんきん)

お尻にある筋肉です。股関節を伸ばす働きがあります。

立ち上がる際には、股関節を伸ばして上半身を起こし、身体を立位へ移行させる動作に関わります。

ハムストリングス

太ももの後面にある筋肉群です。股関節を伸ばす働きと、膝関節を曲げる働きを持っています。

立ち上がる動作では、股関節や膝関節の動きに関係します。ただし、その活動の仕方は、動作の段階や足の位置、動作の速さなどによって変わります。

このほかにも、ふくらはぎやすねの筋肉、体幹の筋肉などが関わっています。

立ち上がる動作は、特定の筋肉ひとつだけで行われるものではありません。複数の筋肉が、それぞれの役割を果たしながら動作を成り立たせています。

動作の速さによっても、筋肉の働き方は変わる

椅子からゆっくり立ち上がる場合と、素早く立ち上がる場合では、身体の動かし方や筋肉の活動の仕方が異なることがあります。

また、椅子の高さや足の位置、手すりや肘掛けを使うかどうかによっても、関節にかかる負荷や動作の方法は変わります。

そのため、ある動作について「この筋肉が働く」と説明することはできても、すべての人が、どのような条件でも同じように筋肉を使うとは限りません。

筋肉の働きを考える際には、筋肉の名称や基本的な作用だけでなく、実際にどのような動作をしているのかにも目を向ける必要があります。

日常生活の動作を観察してみる

椅子から立ち上がるという身近な動作にも、筋肉や関節の働きが表れています。

普段は意識しない動作でも、身体のどこが動き、どのように身体を支えているのかを考えてみると、運動について理解する手がかりになります。

日常生活の動作を、身体の仕組みから見てみましょう。


参考資料

この記事を書いた人

ぜんば接骨院 院長

柔道整復師。整形外科のリハビリテーション室での勤務を経て、神奈川県伊勢原市でぜんば接骨院を開業。

日常生活に関わる身体の仕組みや運動について、専門的な知識をできるだけ分かりやすくお伝えしています。

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